昨日から仕事でまたバンコクにきています。今日はWHOタイの2人のオフィサーと話をすることがあったのでWHOのオフィスと、ダウンタウンのホテルロビーで話をしていました。2人とも女性(タイ人とインド系米国人)。仕事がてきぱきしている。言うことも直球でわかりやすい。ちなみに1人はシニアのオフィサーで独身(Smart, strong, successful and independent women tend to be single...this might imply the future for PhD female students!)
バンコクに来る前は結核と同時併行で仕事をしているミャンマー移民自治学校での拡大予防接種計画について、興味深い出来事がありました。
ある移民学校を予防接種チームとともに訪問したときのこと。
予防接種を打つのに並んでいた9歳の小さな女の子。110センチ、14キロ。1か月前に体重を計測したときより1キロ減少。
これは明らかに栄養失調じゃないか!?まるで3歳児くらいの体重。信じられない。学校の先生も誰も不思議に思わなかったのか?歩き方も普通じゃない!
予防接種チームがどういう対応をするのかみていたところ・・・
チーム「毎日ちゃんとご飯食べているの?」
女の子「食べてます。」
チーム「じゃ、これからもしっかり食べてね~。」
以上。
そんな対応でこの女の子の栄養状態が改善するはずないでしょ!と心の中で怒り爆発。
怒ってはいかんと思い、女の子とそのお姉ちゃんと話をすることに。。。
移民学校での予防接種を待つ子どもたちの様子。
なんと姉妹のお母さんが去年結核で亡くなったというのです。結核とコンタクトがあり、体重減少・・・もしかしたら結核なのではと思い、研究所の結核医師にコンサルトしました(咳はなかったのですが)。
数日後ツベルクリンは強陽性結果、また胸部レントゲン上明らかな肺結核の所見があるため、研究所より結核治療が開始されました。
自分が結核の患者を移民学校で発見してしまうとは思ってもいませんでした。こうして異常児もスルーしてしまう予防接種チームの対応を改善すべく、ワークショップを開いたり、学校へ同行することが今後も必要なようです。移民エリアの多くの結核患者は、患者の症状があって医療機関に受診するという、医療機関の受け身でしか発見されません(Passive case detection)。もっともっと結核患者がいるはずなのに見逃している可能性は拭いきれません。