皆さんは自分が日本人ではなかったとしたらと考えたことがありますか。海外で生活していると必ずと言っていいほどの自己紹介の決まり文句。
「Where are you from?」(出身はどこですか?)
先日仲の良いビルマ人医師と話していたところ、自分の出身国を言うのが恥ずかしくてたまらない時があるということを言われました。
彼はとても優秀な医師で、米国NGOの中堅ポジションとして私と同じタイ国境で働いています。彼がそのNGOで働く前はバンコクの大学院でMPH課程に所属していました。
彼がMPH課程で出会った同級生のタイ人の友達に自分がビルマ人であることを自己紹介したところ、
「あービルマ人なんだ。僕の家にビルマ人のメイドがいるよ。」
タイ人の家にビルマ人の家政婦がいたり、タイ人がビルマ人を非正規労働者として雇っているという光景はどこでも見受けられます。
自分の国は貧しく、隣国のしもべ扱いされているように感じた私の友人。
私が米国の大学院で出会ったビルマ人の友人も私にこう言いました。
「ビルマ出身ですって言っても誰もわかってくれないし、興味を持ってくれない。自分はまるで宇宙から来たように感じるわ。」
皆さんはきっと2人のようなことを感じたことはないでしょう。
先日私がWHOの予防接種会議に出席していたとき、隣にいたWHOのイギリス人技官が私にこう話しかけてきました。
「君、日本人?僕は日本人の上司とフィリピンのWHOで働いてたんだ。日本人はとても優秀だね。」
またあるビルマ人は、私が研究所で所長さんから仕事のオファーを得たことを知った時、私にこういいました。
「あいこは日本人っていうことでとても得しているよ。日本人はまじめで勤勉だし、お金持ちだし。ただのビルマ人はあいこのように仕事を獲得できないよ。」
最近よく思うことがあります。
私には無限の可能性を選択する力があるということ。
もし自分が戦争で家族や家をなくし、飢えをしのぎ、隣国、タイ社会の差別の中で生きるという状況におかれていたらこんなブログを書いて進学を目指すこともなかったと思います。
先週は仕事で久しぶりに難民キャンプに行きました。今もなお、何万にもビルマ難民がタイ・ミャンマー国境で暮らしています。写真は難民キャンプの様子。
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