今日は日曜日でしたが、私の指導教授が研究しているプロジェクトのイベントの手伝いに、東ニューオーリンズまで出かけてきました。
先生のプロジェクトではベトナム系移民の健康について10年かけて調査をしています。今日はプロジェクト10周年記念で研究に関わってくれたベトナム系移民の皆さんへ感謝の気持ちを述べるとともに、今までの研究結果をコミュニティーの皆さんに発表するというものでした。
1970年代後半、ベトナム戦争によってボートピープルとなり、難民としてこのニューオーリンズへ第三国定住した何万人ものベトナム人がここに住んでいます。
特に東ニューオーリンズには大きなベトナムコミュニティーが形成されており、10年前にニューオーリンズを襲ったハリケーンカトリーナでは多大な被害を受けました。ハリケーンでは1000人以上の命が失われました。
一時期廃墟となり、もぬけの殻となった東ニューオーリンズでは復興が危ういものと心配されていました。マイノリティのベトナム系移民はメディアでは当初焦点されなかったものの、一番早くコミュニティーに戻り復興に着手し、PTSDなどの心的ストレスに打ち勝ち、ニューオーリンズで健やかに人生を再出発することができたのはベトナム系グループでした。実際私の指導教授がだしている論文でも、カトリーナ後の黒人や白人グループと比較したとき、一番身体、精神の健康状態に優れているグループはベトナム人グループでした。
貧しくマイノリティの彼らが災害から立ち上がることができたのは何故か?
先生が出した答えはベトナムの文化からresilience(回復力)を生んだのではいうものでした。
イベントに参加していた一人のベトナム人参加者が言いました。
「ここは自分たちの街です。自分たちはこの
コミュニティーに属しています。だから皆と力
を合わせ立ち上がらなければと思いました。」
私自身、アジア人として思うのはアジア人はperseverance(忍耐)が他の人種より長けていると思うのです。だから他の人種よりうまく再起したのではと思います。あとは和を重んじる文化ではないかと思いました。特に個人主義のアメリカではあまり見られない存在なのではと思います。
一日を終えて、このイベントを企画した私の担当教授マーク先生に惚れ惚れしてしまいました笑。ベトナムのフルコース料理をいただいただけでも、かなり満たされたのですがなんと言っても研究対象のベトナム人コミュニティーからも意見を聞き、分かち合う先生の姿勢や長年一緒に参加してくれているベトナムコミュニティーに感謝の気持ちを伝える姿は研究者として忘れてはいけない志だなと思いました。
イベントの最後にはたくさんの参加者がマーク先生とハグをし、写真を撮ってマーク先生にもお礼を言ってました。
アメリカ版青年海外協力隊を通じタイで活動し、ベトナムではフルブライトの奨学生だったマーク先生。見た目は白人ですがアジアに長年住んでいただけあって、アジア人のマインドセットを
よくわかってるなーと思うイベントでした。
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