アメリカの医療のことを考えると一刻も早く日本に帰るか、他の国に住みたいとつくづく思います。最近甘いものを食べたあと歯がしみることがあり、虫歯かもしれないからそろそろ歯医者さんに行かなければと思っているのですが、過去の経験によりそう簡単に足を踏み出せません。
なぜなら高額の医療費を請求される可能性が高いからです(虫歯一本に1万―10万円なんてざらです)。今、友人たちにどこの歯医者が安いか聞いており情報収集次第、歯医者を決めたいと思います。
アメリカは歯科だけでなく、全ての医療費が高いです。保険システムを理解していないと膨大なお金を支払わなければいけません。無保険の人はなおさらです。
博士2年目に入ってから胃の調子があまりよくなく、総合試験後に初めて病院に行きました。大学に附属しているStudent Health Centerを受診するには初診に300ドル支払わなけれなならず、高すぎて払えるか!(怒)と思い自宅近くの私立病院に受診しました。ここが不幸の始まりでした。
私はUnited Health Careという大学が提携している保険に加入しておりカバー率も高いので、どこの病院に行っても問題ないと思っていました。
病院システム自体は日本と変わらず、初診のため問診表に回答し、医師の診察を受け必要だったら血液検査やレントゲン検査を受けるというものでした。
私の場合は医師の診察後、血液検査が必要ということで採血をとりました。受付では初診の予防受診は無料ということで何も支払いをせず帰宅しました。
無料?ラッキー!と思いその後何も考えず毎日を過ごしていました(採血結果も問題なく、おそらくストレスが原因と診断されました)。
受診しおよそ3週間後、自宅に病院からお手紙が届きました。なんだろ?と思い開封してみると内容は1週間以内に受診代金180ドルと血液検査代400ドルをクレジットカードか小切手で払ってくださいというものでした。
「なんじゃこれー!!?(怒)」
腰を抜かしそうになりました。。。たった問診と血液検査で600ドル近くかかるとは日本ではありえません。怒りから保険会社に電話し金額について話をしてみると、「受診代金180ドルの内容に間違えがないか確認してみますね。ただ血液検査(ピロリ菌の検査や一般採血)の項目は当保険会社でカバーできないものなのでお支払いお願いします。」とそっけなく返答がありました。
どうしてこんな高額な金額を支払わなければいけないのか、それは保険会社と医師の提携が関連しているからです(私は受診するまでそのシステムを理解していませんでした)。
アメリカでは自分の保険を取り扱う医師を受診する前に探す必要があります(病院ではありません)。自分の担当医がネットワークに入っている保険と自分の保険が提携していなければ保険会社は基本負担してくれないのです。日本だったら国民皆保険をはじめとしどの保険でも、おそらく全ての病院でその保険が使えると思います。アメリカはそうではありません。プロバイダー(医療提供者:医師)が自分が加入する保険のネットワークに入っておかなければいけないのです。
この厄介なシステムは患者中心の医療からほど遠いと言えます。
例えばアメリカ人の友人から聞いた話なのですが、彼女が病院で出産(帝王切開)をした際、友人の担当産婦人科医は友人が加入する保険のネットワークに入っていたのですが、帝王切開に立ち会った麻酔科医は保険のネットワークに入っておらず麻酔科代(10万以上)はほぼ全額を支払わなければならなかったと聞きました。
この病院での体験から簡単に病院に受診するのが怖くなりました(請求書で発狂したくないです。汗)
重病でなければ留学生は大学が提供しているStudent Health Centerに行ったほうがよいかもしれません。Student Health Centerで働く医師は大学が提携している保険に入っている可能性が高いからです。他の病院に受診する場合はぜひ医師のネットワークを調べましょう。
アメリカの恐ろしい医療の話をもっと知りたい方は、堤未果さんの書籍(貧困大国アメリカや沈みゆく大国など)をお読みください。堤さんの本をほぼ全部読んできたのに、自分の身になってやっとアメリカは恐ろしい医療を提供する国だとやっと痛感しました(涙)。
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