新年あけましておめでとうございます。映画のタダ券をいただき、新年早々にHacksaw Ridgeという映画を夫と一緒に観に行きました。この映画は今年の夏頃に日本で公開される予定です。
第2次世界大戦の沖縄地上戦を舞台とした映画でメル・ギブソンが監督をつとめています。アメリカ人の視点で描かれており、沖縄で武器をひとつも持たずに何十名もの負傷したアメリカ兵士を助けたデスモンド・ドス衛生兵士の物語です。ドス兵士役のアンドリュー・ガーフィールド(スパイダーマンの主役をしていた俳優です)の演技がとても自然で映画に引き込まれてしまいました。実際にあった話でドス兵士はのちにアメリカの大統領から名誉勲章をもらっています。
まず映画の主人公ドス兵士。彼は戦場で犠牲になる米国兵士を救うためにメディック(看護衛生師)になるのですが、戦場に行く前にミリタリーキャンプで兵士としての訓練を受け、武器として銃を持つように大佐から指導を受けます。しかし彼はプロテスタントのキリスト教徒で、武器を使って身を守り、まして敵の兵士(日本兵)の命を奪うのは神の教えに反すると意志を曲げず、周りの同僚、上司からいじめを受けても屈することなくそのまま戦場の沖縄へ行きます。
想像を絶するほど残酷で悲惨な沖縄での戦場。周りの同僚兵士がつぎづきと撃たれけが負い、生死をさまようなかで武器ももたず、自分の命を顧みずに他人の命を助けるために戦火を走るドス兵士。
私の英語のリスニングが正しければ、ドス兵士は負傷し生きのびた日本人兵士をも映画の中で助けていました。
私はこの映画の中で信仰の有無に関わらず、他人の命のために危険までおかして最後まで自分の信念を貫き通すことについて考えていました。今、私はFaith(信念、誠意)を持って人のために何かできるだろうか。難民の健康のために博士課程まで進学し公衆衛生を勉強しているけれど、名誉や地位を考えるのではなく、どうすればよいかFaithを持って戦火や迫害から逃げてくる難民のために今後の私の人生を生かすことができるのかと考えていました。
この映画が日本で公開されれば日本人の方々の感想が気になります。おそらく沖縄で犠牲になった日本兵のことにほとんど触れられていないので、残念だと思う方はいるかもしれません。ただこの映画は戦争の醜さや残虐さが痛いほどに鮮烈に伝わってくる作品であり、暴力だけの世界では悲しみしか生まず、他人を思う気持ちの尊さを問いかけてきます。気になる方はぜひご覧ください。こちらのリンクはハクソーリッジの予告
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