私が担当してみている国はザンビア、ウガンダ、ナイジェリア、タンザニア、マラウイです。これらの国は一生涯に女性が産むこどもの数が5人ほどであり、人口増加が問題になっています。日本の女性が一生のうちに産む赤ちゃんの数は1.23。日本は高齢化、人口現象が問題視されているのにアフリカは人口が多すぎて困っているなんてところ変われば事情が違うもんなんですね。。。
その出生率が高いアフリカの5つ国は同時にHIVの有病率(国民の10人につき1人はHIV罹患者という感じ)も高くて困っています。この家族計画とHIVの治療、診断などのサービスをひとつの病院やクリニックでできたらいいのになという考えが私の仕事に関係しています。
HIVを持つ患者さんは将来妊娠したいのか、赤ちゃんがHIVポジティプで産まれてきてもよいのか考えるのが一般的です。たくさんのアフリカで調査された研究論文を読んだところ、90%近くのお母さんはHIV感染を知ってから新たな妊娠は望まないそうです。ですがそれでも妊娠してしまうHIVポジティプのお母さんが多いのが現状です。理由は性交渉時に確実な避妊をしていないから(本当は避妊用ピルやコンドームを使用したいのにないから)。
HIVクリニックに行ってコンドームをもらえたとしても、文献によるとコンドーム使用から妊娠する確率は10%近くあります。なので家族計画の視点から国際的にはHIV患者さんで妊娠を望まない場合、2つ以上の避妊方法の同時使用を勧めているのですが、なかなかうまくいきません。
そして問題なのはHIVクリニックで家族計画のサービスが整っている場合は多くなく、避妊用のピルをもらったり、精管切除などその他の避妊方法を受ける場合は家族計画専門のクリニックに行くや大きな医療機関に受診しなければいけません。それがスムーズにいかないのです。。。
一度一ヶ月ほどアフリカにいたので想像がつくのですが、首都以外の場合HIVの患者さんがコンドームをHIVクリニックでもらえたとしても、そこから何十あるいは何百キロと離れた家族計画専門のクリニックに行くかはかなり疑問です。貧しく車もない、仕事も休めない、わざわざ別の日にまた遠くの医療機関に受診するのは苦難です。HIVクリニックですら、ちゃんとコンドームがあり、病院の転送案内を出してくれるかも謎。
また問題なのはUSAIDは家族計画を支援するけどHIVは違う米国政府機関(PEPFAR)が支援しています。世界のHIV関連に関わる寄付の半分はPEPFARがしています。このUSAIDとPEPFAR自身も別々の動きをしているので、一貫した家族計画とHIV関連がコラボされたサービスが提供できていません。
2015年秋に国連が掲げていたミレニアム開発目標が評価され、ポストミレニアム開発目標としてサステナブル開発目標が決まっています。内容は世界の人口増加が加速し、資源が枯渇しないようにするにはどうしたらいいか、都市化問題、人口の移動(私の時代が来てます(о´∀`о)ノ。なぜなら私の専門はMigration and Health:移住と健康)などです。アフリカの人口問題が落ち着くかどうかが焦点になっているので、人口学が気になる私としては目が離せません。
こんな感じで、毎日レポートを書いたり、文献読んだりしながら「この要求は今のアフリカには無理やでー(´д`|||)」と毒を吐きながら仕事してます。
そして仕事のやる気を上げるためにアフリカで撮影されたミュージックビデオをたまに鑑賞。"Am I Wrong"と曲はずっと前アメリカでも流行ってました。ジンバブエとボツアナで撮影されたそうです。自然の美しさに圧倒。
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