2015年2月21日土曜日

マルディグラス- 謝肉祭

今週のはじめはマルディグラス休日で、学校は休みでした。ブラジルのリオのカーニバルと同じくらい、ニューオーリンズのマルディグラスカーニバルは有名らしいです。そのため全国各地からパレードを見にたくさんの観光客がここを訪問していました。

このパレードはたった1日ではなく1月から途切れ途切れに、2月では毎週末、また先週はほぼ毎日朝から晩までパレードの嵐でした。私が住むニューオーリンズの世田谷区ではこのパレードのルートにものすごく近く、学校から帰るのに道を通ることができないほどの人混みで大変でした。

今年はスマホにパレードトラッカーというパレードを追跡するアプリをインストールし、必死に人混みから逃げていました。

一日や数日のパレードはよいのですが、長期間になるとかなり冷めた目でパレード際を通る私。。。博士の学生にはあまり関係ないですからみたいな(汗)。

まあこの休日ゆっくり眠れて、博士の先輩や同級生たちとホームパーティーをして充電できたことはよかったかもしれませんが。




2015年2月14日土曜日

コーランが聞こえる

同じ学科の同級生のパキスタン人医師が、何回かこのブログに登場していますが、今日は彼について書こうと思います。

この同級生めっちゃいい人なんです。彼に会うまではパキスタン人とインド人はうるさく人の話を聞かない人種だと思っていました(パキスタン、インドの皆さん、ごめんなさい)。昔国連のワークショップで1週間ほどパキスタン人、インド人と勉強することがあったのですが、人の話を聞かず我が強い人たちだなと思っていました(汗)。

同じオフィスを共有するパキスタン人の友人は、違います。神々しいんです。癒しオーラがあり、人の話を丁寧に聞きなんでも話せてしまいます。同じ学科の同級生の中でも私のことを一番
理解してくれる友人かもしれません。彼は私と同じ年齢で2人のこどもを持つお父さんでもあります。

何で彼はこんなに平和オーラがでているのか、キャラクター的なものかもしれませんが、熱心なイスラム教徒ということが大きな要素かもしれません。

彼は大学院の中でも、THEムスリムオーラを放っています。髭を30センチほど伸ばし、ムスリムの帽子をかぶりパキスタンの長い民族衣装を着て 学校に通っています。

その風貌からかアメリカの空港に入るときはなかなかイミグレを通らせてもらえず、CIAに連れていかれそうになったという逸話まてあります。「テロリストに疑われて困るんだよね。」という話しは私たち同級生を笑わせてくれました(苦笑)。

スンニ派イスラム教徒の彼は毎日5回メッカに向かってお祈りをします。日中3回は大学で祈ることがあり、プレイルームと呼ばれる校内にあるイスラム教徒の人たちがお祈りをする部屋でお祈りをします。

レポートの提出やテスト前は共同のオフィスでお祈りをしています。お祈りの時間を忘れないようにコーランの説教が聞こえる携帯のアラームをかけているのですが、たまにアラームをかけた携帯をオフィスに置き去りにしたまま、トイレや先生などとのミーティングに行ってしまうので、コーランの説教がオフィスから廊下中に響き渡ります笑。

「アマーーン、アマーンーアマン~~」(よくわからないコーランは私にはこんな感じに聞こえます)

おーい!またどっか行ったんかい!お祈りの時間やで!(汗)とあたふたしてしまう私。だって
オフィスを通り過ぎる人たちにジロジロ見られるのは私だけですからね。。。

私は何度も彼のお祈りをオフィスで目撃しているのですが、日中のお祈りの時間はあっという間にきます。

私が「おたく、お祈りの時間がすぐきて忙しいそうね。」と話しかけたところ、

「神様と話しができるお祈りの時間ほど、平和な気持ちに満たされるから忙しいって思わないのさ。」という返事がきました。

週末はたまにニューオーリンズにあるモスクで寝泊まりをするほど熱心に信仰しています。

オフィスでは私とクッキーを交換するのが日課な彼(二人でいろんな味のクッキーを楽しんでいます)。

ニュースではまるでイスラム教を批判してしまうような報道をしていますが、イスラムの人たちすごくいい人いっぱいいるんです。ステレオタイプに傾くような報道はしないでほしいなといつも思います。

ちなみに私は昨日、アフガニスタン人、バングラデシュ人、インドネシア人(皆、イスラム教徒の修士課程)の女の子グループと夜出掛けていたのですが、皆本当にいい人ばかりです。そしてインターナショナルな話しは面白いですよ!



2015年2月1日日曜日

女性のキャリア構築と博士号

この類のテーマをどこかで書こうと思っていたのですが、きっかけがあったため今回書こうと思います。

私と同じ博士課程1年目で、アメリカ出身の友人が妊娠4ヶ月であることを、私たち同級生(同じ学科のコホート)に年明け早々打ち明けてくれました。

彼女は私と同じ年齢で32歳。結婚して3年目で旦那さんは弁護士としてニューオーリンズで働いています。彼女から話を聞いたときは思わず嬉しくて、廊下に響き渡るくらい叫んでしまい妊婦さんなのに大きなハグをしちゃいました。

彼女の出産予定は6月です。春セメスターが終わり夏休み入ってから出産になるので、いい時期に出産することになってよかったなと思います(勉強にかぶる時期だと休学しなければいけないと思うので)。そのまま夏に産前産後休暇を取り、9月から秋セメスターで復帰するということでした。

ここで言いたいのは、私の周りでは博士課程中に子どもを産む学生が非常に多いです。私の知る限り同じ学科で過去数年4人います。理由は博士課程の期間が長く、女性の結婚および出産適齢期(20代後半から30代前半)にもろぶちあたることが大きいと思います。既婚者や婚約中が学生の大半を占めます。

私の学科の博士1年目の平均年齢は32歳。 5名中私を合わせて4人が既婚者で、1人だけが独身です。

もう卒業した博士課程の先輩で子どもが2人いる女性(アメリカの大学で助教授のポストについています)からは、

「Before a new job, you should get pregnant purposefully.」(新しい仕事を探す前に意図的に妊娠したほうがよいわよ)と言われたことがあります。重い言葉です。。。

日本の博士課程もこんな感じなのかしら?私が日本と米国の女性のキャリア構築を比較して思うことは、既婚者で育児をしながら仕事をしている女性が日本より多いと思います。私の学科で同じフロアにいる女性の教授、助教授6人中6人とも結婚して子どもがいます(離婚者1人含む)。子どもが4人いる教授もいます。

私が知る日本では大学、特に看護系は独身の先生が多かったような・・・。文化的な違いなのか?どうしてキャリアと育児を両立できるのだろうかと思います。日本は子どもを産んだらキャリアを途中で中断しないといけないと思う女性が多いのではないでしょうか。

米国に来ていろんな英文の文献を読んでから、私はフェミニズムよりにだいぶ傾いているのことに気がつきました。

日本の社会全体の捉え方(Social Norm)がひとつの大きな要因だと思います。「子どもを産んだらフルタイムからパートタイムへ。迷惑がかかるから会社を辞めよう。」という女性を中心に、社会全体の暗黙な流れは両立のしにくささを物語っている気がします。

もちろん日本のシステムが女性のキャリア構築と結婚、出産を促進できるように整備されていないことも原因と考えられます。保育所、幼稚園を待つ待機児童問題。どこかの政治家が3年育児休暇の案を去年だしていましたが、そんなことしていたら女性のキャリア形成が遅れるばかりでしょう!と思わずにいられませんでした。こういう案を出す日本政府が女性のキャリア構築の必要性をまるでわかっていないことが伺えます。子どもを産んで3年間女性は家で育児と家事に専念しなさいということでしょうか。まるで「女性は子どもを産む機械」と失言した政治家を肯定するような案です。

およそ1年前にSherly Sandberg著の「Lean In:Women, Work and the Will to Lead」というアメリカでも世界でもベストセラーになっている書籍を読みました。おそらく和訳の書籍もでているはず。

著者はFacebookのCOOで2人の子どもを育てるキャリアウーマン。TEDのトークでも話題になった人です。その著書やTEDトークでも名言とされて引用されている言葉があります。

" Don't leave before you leave."(あなたの能力を過小評価して職場を去らないで)

Yes, You can. Sherly Sandberg's "Lean In"
というニューヨークタイムズでも詳しく書籍のレビューが書かれてあります。
その書籍レビューより、" Don't leave before you leave." which is to say, don’t doubt your ability to combine work and family and thus edge yourself out of plum assignments before you even have a baby(International New York Times, March 7, 2013より引用)

要約すると、家庭と仕事を両立する自分の能力を疑わず、赤ちゃんを持つ前であっても家庭と仕事を両立できないかもという自分自身の思い込みに打ち勝ち、職場を去らないでというような意味です。彼女の書籍では女性のキャリアと家庭を両立できないかもという、その女性の謙遜する姿勢自体が、社会全体の女性の地位やキャリア構築の阻害因子になっていると訴えています。

もちろん、子どもを産まないことを希望する女性もいると思います。または子どもがほしくてもできない人もいると思います。単純に結論するのは難しいですが、国際保健のプロとなるために海外の大学院で勉強したり、子どもを育てながら仕事を海外ですることは女性の受け取めかた次第でできるということだと私は考えています。あまり事例がないだけで。そういう女性が増えていけば、社会全体の考え方も変わってくるかなと思います。

私自身はまだ実証はしていませんが、途上国で子育てしながら仕事をする夢が実現できれば素敵ですね。

まずはコースワークを無事終了し、総合試験に通ることが先ですが。。。