2014年6月18日水曜日

つながる世界

難民、移民の人口移動と健康問題は私の最も興味があるトッピックスです。そのmigration and health(移住と健康)を専門的に勉強すべく博士課程へ進学する予定です。

国境の街、タイのメソト(私が住む街)はミャンマーからgatewayです。勉強する身にとって街の変化が学びにもなります。

夏季が終わり、新学期とともにミャンマー移民学校が開校されはじめました。国境のタック県4郡に74校の移民学校があり、14000人生徒が勉強しています。学生のほぼ99%はミャンマーからの移民と言ってよいと思います。

新学期に伴い、私が携わる拡大予防接種プログラムでも新しい生徒が今年の予防接種プログラムに加わりました。おそらく2500名くらいの子どもたちが私たちのプログラムでフォローされる予定です。

学校で予防接種を打つ研究所のスタッフが「どこから来たの?」と聞くと、各学校10名に1人くらいの割合で「ヤンゴン(ミャンマー)から来ました」と答えます。理由は両親のどちらかがタイで働き始めたからと言うのです。

メソトの隣町、ミャンマー、カレン州ミャワディーから来た学生がたくさんいるのはわかりますが、ヤンゴンからこんなにたくさんの子供たちが移動しているんだなと肌で感じられずにはいられません。

ヤンゴンからだけでなく、他の街バゴーやモロミャイ等からも新しい学生さんが来ています。

2015年にはASEAN Economic Community(ASEAN経済連合)が形成され、EUのように国境の行き来が自由になり、人の往来が加速される見込みです。結核や予防接種で防げる感染症(特に麻疹など)にASEAN Economic Communityがどのように実践的に対応するのか健康関連の大きな会議では議題になります。

日本ではグローバル人材育成という言葉を政府の戦略としてよく耳にしますが、ASEAN諸国の人材育成においてかれるのではないかと思います。グローバルって言っている側ほど差別化して壁をさらに高くしているような気がするなぁ。

私もそうですが、人が海外へ積極的に移動する理由には夢や希望があって出ていくわけで、強く動かす原点がないと人の移動は進まないと思います。ミャンマーの人であれば、高い賃金を求めてよりよい仕事につくためにタイへ移動するわけで、私も難民、移民の分野において公衆衛生関連の仕事がしたくてタイにいたり、米国で勉強したりするわけです。

海外で働く夢を渇望させる機会が日本にあればうまくいくかもしれませんが、多くの人は衛生的で生活水準も普通に保てる日本以外に住むことは機会がないと考えないのではと思います。

ここに住んでいる土地の人は必然的にミャンマー語、タイ語、カレン語、英語といくつもの言語を駆使し仕事しています。たくましい!


ミャンマーとタイを結ぶ国境の橋は商業関連のトラックが列をなしています。



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