2013年11月21日木曜日

先生はなぜ結婚しないんですか?

所長さんがイギリス、フランス、アメリカ出張から帰ってこられ、研究のGOサインをいただき、私の仕事もだいぶ忙しくなってきました。

週に数日は結核に関連したフィールドリサーチにでかけ、週2日はミャンマー移民自治学校のEPIプログラム(拡大予防接種計画:Expanded programme on Immunization)のお手伝いをしています(健康の異常児がいないかをみたり、予防接種も一緒に打ちます。子どもたちが泣いて暴れるので戦争です。。。)。来週はWHOのEPIに関する会議があったりと予定が詰まっています。

今週、結核村でミャンマー人現地スタッフ(女性カウンセリングスタッフ)とおしゃべりをしていた時・・・

スタッフ「あいこ先生はいくつなんですか?」

私「今月で31歳になったよ。」

スタッフ「えー!先生若く見えますね!旦那さんは日本ですか?」

私「旦那さんはいません。まだ結婚もしてないからね。」

スタッフ「えー!31歳なのに?先生はなぜ結婚しないんですか?子どもを産む気はないんですか?」

私「ある!ある!(汗)日本はね、女性は30代で子ども産む人もいっぱいいるからね。」(ぐさり。胸に矢がささる)

ちなみにこの話をしていたスタッフはまだ23歳。バンコクで働いてるミャンマー人彼氏と結婚したいらしい。結核村で働く他の女性メディカルスタッフは22歳で1歳の子どもがいます。この国境で出会うミャンマー人の多くが20代半ばまでに結婚しているのではないかと思われます。

逆に30代で独身のミャンマー人女性医師には私のキャリア構築などの姿勢をみて「えー!まだ結婚する気あるの!?」と最近言われる始末。。。彼女はもう結婚する気がさらさらないようです。

まあ日本でも私の年齢は十分に結婚適齢期だと思います。メソトにいる日本のNGOで働く30代女性スタッフが集まればこの話題でもちきりです。日本の国際保健医療系の学生サークルや、看護大学等で講演すると、必ずと言っていいほど

「先生は彼氏いるんですか?結婚される予定はないんですか?」と聞かれることが増えてきました。

はじめは公共の場でこんな質問されて、吹き出しそうになったけど。学生さんは正直(苦笑)。

悲しいかな私は今のところ結婚する予定はありませんが(いつでもしたいですが)、国際協力の世界は未婚の女性で溢れているのが現実です。30~40代女性の方が私の周りでは活躍されていますが未婚の方が多いような気がします。

男性は結婚され、家族一緒に海外で住まれている方が多いような気がします。一方、数少ない女性で結婚されて、海外で活躍されている方の多くが国際結婚されているように思います。私の日本人コミュニティーは。

女性の高学歴化(国際協力バリキャリの人のほとんどが最低修士号を持ち、英語が話せる)、たくましすぎるのが未婚に関係するのでしょうか。

誰か国際協力と女性の未婚についての因果関係を研究してもらいたいくらいです。Prospective cohort study(前向き研究)で私をサンプルに使ってもらってもいいです(涙)。

途上国の人たちが家族団らんで笑いあっている姿(うちの家のタイ&ビルマ人家族も)をみると私もいつか!と思います。


写真は今月、ビルマ人&タイ人家族にバースデーパーティーを開いてもらい、誕生日ケーキをいただきました。

うちのNGOスタッフからもケーキをいただきました。


みんなに支えられておかげさまで感謝の誕生日を迎えられました。30代も楽しかった!って振り返られるようあつみを持った30代にしたいです。女性としても!



2013年11月12日火曜日

研究所のdiversity

以前にも書きましたが、今回ここに就職するまで全くこの研究所の中を知らなかった私。今でも知らないことだらけです。

研究所は外観ではわからないのですが、タイの家が4軒連なる大きなコンパウンドからなります(一度も踏み入れたことがない建物もあります)。

その中に人事、医師、ヘルスインフォメーションシステム部、実験室、私や医師等の国際スタッフ、ミャンマー人医師スタッフのオフィス等があります。研究所の外には研究所が運営する、移民コミュニティーエリアの4つのクリニック、難民キャンプの中に1つのクリニックがあります。そこでは300~400人のローカルスタッフが働いています。

私のデスクはDoctors' office(医師の事務所)という中にあります。こんな事務所に入れないでほしい!と始めは思いました。まるで日本の病院の医局の様だなと思ってしまいました。。。

その名の通り、私とアメリカ人の医学生のインターンを除いて、すべて本当に医師のデスクばかりです。みんなそれぞれ臨床研究(clinical trial)や公衆衛生の量的研究をしている人ばかり。

そして私のデスク側はなぜか欧米人に固められています。アメリカ人3人、スイス人1人。ミャンマー人の仲良い医師たちのデスクとはなぜか遠い。彼らと近い席にしてほしかったのに。米国に住んでいましたが、アジア人の方が断然付き合いやすいです!いろんな意味で。。。

研究所の中ではもちらん日本人(加えてビルメロ族!)は私だけ。

ミャンマー、タイ、イギリス、米国、オーストラリア、フランス、イタリア、オランダ、ポーランド、スイス、ニュージーランド等まるで世界を縮図にしたかのように世界各国の医師や臨床検査技師が集まっています。欧米人だけでも20~30人はいます。知らない人ばっかり。

しかしおもしろいことに、ミャンマー人のスタッフの90%はもう私には英語で話しかけず、ビルマ語で話しかけてきます(私は日常生活は問題ならない程度ビルマ語を話せます)。

そんなことから欧米人の中で私を未だビルマ人だと思っている人はいるはず。もういっそのことずっと私をミャンマー人だと思ってもらっても構いませんが。。。ビルメロ族として本望です。

ここは私のホーム、アジア!と思って欧米人の迫力に負けないよう今日も明日も日本のビルメロ族としてがんばりたいと思います。

2013年11月6日水曜日

ビルメロ族7年目

11月に入りタイ・ミャンマー国境のメソトの街は乾季に入ったものと思われます。もう1週間近く雨も降っておらず、朝と晩は20℃近くになるほど涼しくなってます。この季節が一番好きです。

ところでミャンマーは多くの少数民族からなる国です。この国境地域にはカレン族という少数民族が大多数住んでいます。「バルミョレ?(ビルマ語:何族ですか?)」と聞かれたら、私は「ジャパンルミョ(ビルマ語:日本人です)」と答えるのですが、私は日本人でも自分を「ビルメロ族」と名乗りたいなと最近つくづく思います。

ビルメロ族とは実はビルマ(ミャンマー)にメロメロになってすっかりはまり込んでしまった人たちをさすようです(日本ミャンマー友好協会やビルメロの会がこの民族名を考えたのかもしれない。ネット検索で由来は確定できず)。ビルマ関連の書籍を読むとビルメロ族と称される方々も結構でてきます。

私は2007年7にはじめてメータオ・クリニックで医療ボランティアスタッフとして働き始め、この国境に行ったり来たりの人生を始めてから、もうかれこれ7年目に入りました。どのくらいビルマにメロメロになっているのか以下指数を出します。

東京で働く私―幸せ度60%
看護師として東京で働いていた私はまずまずの給与をもらい、買い物、友達との楽しい外食など何不自由なく暮らす私。でも何か足りません。

米国で勉強する私―幸せ度80%
興味ある国際保健を思いっきり勉強でき、幸せ度やや上昇。勉強&テストに追われ、また欧米人の自己主張についていくために時々どこか無理をしているかもしれない私。

タイ・ミャンマー国境で働く私―幸せ度120%
国境のミャンマーの人々の笑顔にメロメロになっている私。ミャンマーのみならず、タイの食事、文化も好きなため幸せ度が一気に上昇。もはや測定不能。

今も例年のごとくタイ人&ミャンマー人友人夫婦の家に住み、2世帯の家族と暮らしています。離れのバンガローに一人住んでいるのですが、夕食は母屋の家族とともに食べます。タイ人&ミャンマー人家族が「アイコーご飯食べるわよー!」と声をかけてくれます。

私はこの夕食の時間が楽しみで、まるで家族になったような気分です。特に一緒に住むミャンマーのおじいちゃん(80代)、おばあちゃん(70代)の笑顔には毎日癒されています。

研究所のスタッフや街でメータオのローカルスタッフなどに会ったときには、

「たらむ、をらげ~!(カレン語:先生、おはようございます!)」とみんな笑顔で挨拶してくれます。

その笑顔は伝染していき私まで満面の笑顔になります。これはビルメロ族の主な特徴と思われます。私も国境に住む少数民族、ビルメロ族として明日もがんばりたいと思います。