2014年9月7日日曜日

博士課程の流れと新学期の内容

授業がはじまりようやく2週間がたとうとしています。授業のレベルは博士の学生向けの授業を履修しているので、中身はやや難しくなり読物の量が非常に多い。一方、修士課程をはじめたときよりも、米国の大学院の勉強法は以前よりはわかっているのと、大学院内、ニューオーリンズ内に友人が結構いることや先生も知っている人ばかりなので、ストレス度が低いです。

日本の博士課程と他の国の博士課程と米国の博士課程のシステムは若干違います。

ここでは、2年間72単位のコースワークを履修することが博士課程でも必要です。そのうち公衆衛生の修士号を取得している人は修士課程の40単位、博士課程へ移動することができます。なので私の場合は32単位を博士課程で取得しなければいけません。

またコースワーク修了後は4日間にわたる総合試験を受けなければいけません。3日間は疫学、統計学、研究のデザイン方法などの公衆衛生の研究者として必要な知識のテストです。最後1日は自分の専門分野のテストです。私の場合は移住と健康になります。移住と健康の専門教授らによってテストが作られる予定です。この総合試験がものすごく大変で、4日間のうち大体のひとが一日3~4時間しか睡眠をとれないほどらしいです(テークホーム試験:自宅で受ける試験)。そしてできが悪い人は普通に落ちます・・・。今年も1人落ちて再試験していました。

この試験に無事受かれば、Doctoral Student (博士課程の学生)からPhD candidate (博士号取得候補者)になります。PhD candidateになってから、prospectus defense と言われる博士論文で何を研究したいかを口頭発表します。これを通過すれば晴れて、自分のしたい研究ができるというわけです。研究論文の結果は本として出すか、国際科学雑誌に論文を最低3つ投稿することが条件です。うちの学科の博士課程はコースワークから卒業までだいたい平均4~5年かかっています。

日本では、論文の不正など最近いろいろ問題がありましたが、米国の大学院ではplagiarism(他論文を盗作すること)に非常に厳しいです。入学前にcode of academic conductという学業で不正は行いません、不正したら退学する覚悟です、というような内容の誓約書に署名し提出しなければいけません。

本当に道のりは長く、険しいです。。。

さて今学期私がとっている科目は以下です。
1.Research approaches and design for Global Health (国際保健のための研究アプローチとデザイン方法) (3単位):博士課程必須科目です。疫学と統計をおさらいしたようなコースです。最終的に自分で研究プロポーザルまで書くことができるようになることが目標のクラスです。
2.Themes in Mortality and Health (死亡率と健康)(3単位):修士課程後半~博士向け。人口統計学です。私の専門分野になるので取りました。このクラスの読物が一番興味深い。
3.Social determinants of Health(健康の社会的要因)(3単位):博士課程向け。健康と社会背景がどのように相互作用しているか、理論ベースで考え、社会的要因と健康に沿った研究を計画します。

たった9単位しか今回は取っていません。なぜなら全て内容が濃いのと、実は疫学1を聴講しているからです。次の学期に疫学2を取らなければならず、疫学をすっかり忘れてしまっているので現在もう一度おさらい中です。そして今学期後半に研究アシスタントを始める可能性もあり、ペースを調整しています。

今年、同じ国際保健システムと開発科の博士課程に入学したのは5名です。アメリカ人1人、パキスタン人1人、イラン人1人、バルバドス(カリブ海の小国)1人、日本人私1人です。先生方にはこの学年ほど、国際保健!って感じる学年はないね!と言われています。本当に多国籍な学年です。今年は40名ほどの人がこの学科を受験し、おそらく8~10名くらいは合格したと思うのですが、最終的に残ったのは私たち5名。留学生ばかりの学年でとても居心地がよいです。

バックグランドも様々で、ワールドビジョンという国際NGOで働いてきたり、チュレーンの災害センターで働いてきた人から、グローバルファンド(世界基金)で働いていたイラン人、WHOで働いていたパキスタン人など、国際保健の最前線で働いていた人と勉強できるのは私も刺激になり勉強になります。将来、就職先を斡旋してもらわないとです(笑)。







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